ペットロスの「会いたい」は、消さなくていい ─ 愛が残っているから

数ヶ月が経って、日常はだいぶ戻ってきた。仕事も、家事も、人との会話も、前と同じようにこなせている。それなのに、ふとした瞬間に胸がぎゅっとなって、目の奥が熱くなる。
──「会いたい」。
そんな自分に戸惑っているあなたへ。この記事は、その気持ちを無理に消さなくていい、という話です。
数ヶ月経っても「会いたい」気持ちが消えないのは、なぜ
愛がまだそこにあるから、会いたい気持ちも残り続けます。ペットロスは乗り越えるものではなく、時間をかけて一緒に歩んでいくもの。続く想いは、それだけ深い時間を過ごした証でもあります。
時間が経つほど、ふとした瞬間に込み上げてくる
亡くしたばかりの頃のように、一日中深い悲しみに沈み続けるわけではありません。数ヶ月も経てば、笑える日も増え、普通にごはんが食べられる日が続くようになります。
けれど、散歩中に同じ犬種を見かけたとき。帰宅して、誰も玄関に出てこないとき。お気に入りだったおやつの袋を戸棚の奥で見つけたとき。そういう日常の小さな瞬間に、ふと「会いたい」が込み上げてきます。
この「ふと」という感覚は、時間が経ったからこそ訪れるものです。感情の波が穏やかになった分だけ、日々の中で不意打ちのようにやってきます。
「もう立ち直ったはず」という自分への違和感
数ヶ月経つと、周りからは「もう大丈夫そうだね」と言われるようになります。自分でも、前よりは落ち着いたと感じています。
それでも、一人の夜に写真を眺めていて、急に胸がつかえることがあります。そんな自分に「まだこんなに想っているのか」と戸惑ったり、少し恥ずかしさを感じたりする方もいらっしゃいます。
でも、数ヶ月経ってから込み上げてくる会いたさは、「引きずっている」のとは少し違います。それは日常を取り戻しながら、あの子との時間を心の中で大切に抱え続けているということ。言いかえれば、あの子の存在があなたの中でちゃんと生きている、ということです。
周りには言えない、静かな会いたさ
亡くしたばかりの頃は、周りも心配して声をかけてくれます。でも数ヶ月も経てば、その話題を出すこと自体がためらわれるようになります。
「今さら言っても」「重いと思われそう」──そうして、会いたさを口に出せずに抱え込む時間が増えていきます。
わかってくれる人が少なくなっていく静けさの中で、会いたい気持ちだけが自分の中で続いている。そんな状態にいる方は、想像よりもずっと多くいらっしゃいます。あなた一人ではありません。

「会いたい」気持ちは、無理に消さなくていい
会いたさは、愛のかたちを変えた残響です。消すべき感情ではなく、そこに在ることを受け入れてあげていい気持ちです。
悲しみと愛は同じコインの裏表
どうしてこんなに会いたいのか、と自問したとき、答えはとてもシンプルです。それだけ愛していたから。それだけ一緒の時間が濃かったから。
悲しみと愛は、別のものではありません。同じ感情の裏表です。悲しみが続くのは、愛が続いているから。会いたい気持ちが残るのは、その愛がまだあなたの中で生きているから。
だから「いつまで経っても会いたい」という状態は、何かが欠けているのではなく、続いているということなのです。
「まだ想ってしまう自分」を責めなくていい
ペットロスの話題を調べると、「前を向きましょう」「気持ちを切り替えて」という言葉によく出会います。それらの言葉が支えになる時期もあります。
でも、数ヶ月〜1年経った今のあなたには、別の言葉のほうが必要かもしれません。
──まだ想っていていい。会いたいと感じていい。気持ちを切り替えようとしなくていい。
会いたさを感じる自分を責めるのは、愛した時間そのものを責めることと同じです。そんな必要はどこにもありません。
私自身も、数年経った今もふと会いたくなる
ルチアモーレの制作に携わる中で、私自身もかつて家族として暮らしたペットを亡くした経験があります。その子が旅立ってから、もう数年が経ちました。
日常はずっと前に戻っています。新しい出会いもありました。それでも、ふとした瞬間に会いたくなる気持ちは、今も静かに残っています。
以前は「まだこんなふうに感じる自分」に戸惑うこともありました。でも今は、その気持ちをそのまま受け入れています。会いたいと感じることは、あの子と過ごした時間がまだ私の中で生きている、ということだから。
同じように数年越しに想いを綴ったペットロスから8年たった今の想いや、ペットロスを経験した創業者の体験談もあわせてご覧いただくと、時間の経過の中でも続いていく気持ちのかたちが、もう少し具体的に伝わるかと思います。
会いたさと共に過ごすための、小さな選択肢
気持ちに形を与えることで、寄り添い方が少し変わります。会いたさを消すのではなく、その感情と共にいるための、いくつかの小さな工夫をご紹介します。
写真や動画を見返す時間を、自分に許す
写真や動画を見るのが辛くて、ずっと避けている方もいらっしゃいます。それも自然な反応です。
ただ、数ヶ月経って少し落ち着いてきたら、静かな時間に写真を見返すことを自分に許してあげてもいいかもしれません。最初は胸がぎゅっとなるかもしれませんが、少しずつ「ありがとう」の気持ちが混ざるようになっていきます。
あの子がいた場所で、静かに話しかける
お気に入りだったソファ、毎日歩いた散歩道、ごはんを食べていた場所。そういう空間で、心の中で話しかけてみる。
声に出して話しかけるだけでも、胸の中に溜まっていた会いたさが少しだけ外に出て、呼吸が楽になることがあります。返事は返ってこなくても、言葉にすること自体に意味があります。
手元に「存在を感じられる形」を置くという選択
首輪、お気に入りだった毛布、小さな写真立て。身近なところに、あの子の存在を感じられるものを置いておく。
常に目に入るところにある必要はありません。気持ちが向いたときに、そっと手に取れる場所に置いておく。それだけで、会いたさと共に過ごす時間が少しだけ穏やかになる、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

遺骨リングという、会いたさの受け止め方
遺骨リングは、あの子を手放さずに連れていくための一つの形です。会いたさを消すためではなく、会いたさと共に歩むための、小さな受け止め方として選ばれる方がいらっしゃいます。
ルチアモーレでは、ペットの遺骨を納めたメモリアルリングを、一本ずつ手仕事でお作りしています。お預かりする遺骨の量はごくわずかですが、その小さなひとかけらに、あの子の存在が静かに宿ります。
これまで多くの方のお話を伺ってきた中で、「亡くした直後ではなく、数ヶ月から一年ほど経ってから」リングを考え始める方が少なくありません。悲しみの波が少し穏やかになった頃、何か形に残したいという気持ちが、静かに芽生えてくるからかもしれません。
指先にある小さなリングは、あの子が今もそばにいるという感覚を連れてきます。ふと会いたくなった瞬間に、リングを見たり、そっと触れたりすることで、その気持ちを静かに抱えられる。そうおっしゃる方もいらっしゃいます。
会いたさを消すためではなく、あの子の存在を手のひらで感じ続けるための、小さなかたち。もし気持ちが向いたら、そういう選択肢もあるということを、そっとお伝えしておきます。
ペットロスとの向き合い方の全体像については、ペットロスとは|心や体に表れるサインと、悲しみとの付き合い方もあわせて参考になさってください。
よくある質問
Q. 数ヶ月経っても会いたい気持ちが消えないのは、私だけですか?
いいえ、数ヶ月から数年経っても「会いたい」という想いが続くのは、ごく自然なことです。ペットロスは乗り越えるものではなく、時間をかけて一緒に歩んでいくもの。気持ちが続くのは、それだけ深い時間を過ごした証でもあります。
Q. 会いたい気持ちが込み上げてきた時、どうしたらいいですか?
無理に気持ちを抑えようとせず、その瞬間を静かに受け止めるのが一つの方法です。写真を見返す、思い出の場所で話しかける、手を合わせるなど、気持ちを閉じ込めない時間を自分に許してあげてください。
Q. 周りの人に「まだ引きずっているの」と言われて辛いです。
ペットロスの感じ方は人によって大きく異なるため、周囲にわかってもらえない場面が出てくることがあります。悲しみの深さは、その子との関わりの深さでもあります。同じ想いを持つ人の言葉に触れたり、気持ちを形に残せるものを側に置くことも、一つの支えになります。
Q. 遺骨リングは会いたい気持ちと、どう関係しますか?
遺骨リングは、あの子の存在を手元で感じ続けられる一つの選択肢です。会いたさを消すためではなく、会いたさと共に歩むための「受け止め方」として選ばれる方もいらっしゃいます。
大切なペットの遺骨を納めたメモリアルリング。
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